こんな、スポーツ知らなかったヴァンデグローブ
ヴァンデグローブというスポーツがNHKで放送された。
たまたま、NHKを見ていたら、ヴァンデグローブというヨットで、49,000キロをたった1人で、3ヵ月~4ヵ月の期間、1度も、寄港せず、ただ、ひたすら、ヨットレースを続けるという、超過酷なスポーツが、4年に1度、フランスで、行われていると言う。
4年に1度は、オリンピックと同じだが、この、ヴァンデグローブというヨットの競技、内容が、あまりにも、過酷だと筆者は感じた。
因みに、現役、日本人で、このヴァンデグローブに参加しているのは、唯一1人、白石康治郎さん、これまで、3回出場している。
その師匠である、多田雄幸さんは、同じく、ヨットのレース、アラウンド・アローンで、初出場で優勝し、次は、ヴァンデグローブと目標を定めていたそうだが、志し半ばで、自決されたそうだ。
あるヨットレースで、途中棄権し、その直後の出来事だったと言う。(謹んでご冥福をお祈りします)
それにしても、ヴァンデグローブという競技を、スポーツと呼んでいいのだろうか?
ただ、「海が好き」、「ヨットが好き」とかいうレベルではない。
少し、例えの種類が違うが、比叡山延暦寺の、にない堂にて行われてる、「常行三昧」という修行、こちらも、90日間、ただ、ひたすら、念仏を唱え、お堂の周りを歩く修行として有名だが、これも、想像を遥かに越えている。
どっちを取るか?
と言われたら、1ヵ月くらい、悩みそうだ。
多分、自分には、どちらもできない。
しかし、世の中、いろんな考え方があるのだと、つくづく思う。
ヴァンデグローブにしても、比叡山の修行にせよ、並々ならぬ決意なくして、辿り着けないはずである。
まず、想像ができない。
しかし、一度、決心すると、やってのける人は、いるということ。
と言うことは、定める目標を、どこに置くかで、日常の生活もまた、大きく変わるということだろう。
僧侶となって、修行を重ねる人は、少なくないが、ヴァンデグローブは、世界には、多くの勇者あれど、日本では、ただ、1人、白石康治郎さんだけだ。
テレビを見ていて、時間はあっという間に過ぎたが、白石康治郎さんの気持ちになって、考えはしてみたが、一体、どんな思いが、彼をそうさせているのか、想像だに出来なかった。
ヴァンデグローブは死にかかわる競技
4年に1度、フランスで行われる、ヴァンデグローブ、参加者は、まず、予選を通過しなければ、出場できない。
それが、ヴァンデ〜アークティック〜レ・サーブル=ドロンだ。
ここで、完走できなければ、ヴァンデグローブに、出場することは、できないが、ヴァンデ〜アークティック〜レ・サーブル=ドロンが、簡単なレースかというと、そうでもない。
ここで、離脱する選手も、多い。
ヴァンデ〜アークティック〜レ・サーブル=ドロンでも、1週間~10日程度の航海になる。
これが、予選だと言うから、本当に過酷なレースだ。
しかし、それも、考えてみれば、至極、理に叶っている。
そのあとの、本線のヴァンデグローブでは、49,000キロを3ヵ月~4ヵ月かけて、レースに挑むのだ。
たった1人で。
世界の主要な海峡をヨットで、完走を目指す。
ヴァンデグローブは、過酷というだけでなく、時には、人の命さえ奪ってしまう。
命懸けのレースなのだ。
事実、ヴァンデグローブで、命を失った人もいる。
選ぶ抜かれた精鋭だけが、出場できるヴァンデグローブ。
出場できるだけでも、名誉だが、ヨットマンの夢は、まだ、始まってもいない。
ヴァンデグローブ白石康治郎さんのヨット費用
ヴァンデグローブに参加するためには、何はなくともヨットが必要になる。
日本人で、ただ、1人、そのヨットは、特別にあしらわれたヨットである必要がある。
既製品は、需要から考えれば、分かるが、「無い」。
一説では、白石康治郎さんのヨットの費用、3億円の費用がかかっている。
当然ながら、個人の資金では、到底、無理だ。
更に、ヨットの輸送費用と人件費も聞いてびっくりする。
ヨットと同じく、3億かかる。
最低、6億をかけて、ヴァンデグローブに出場するということは、これは、もはや、普通じゃない。
スポンサーなくしては、成り立たないヴァンデグローブだが、そもそも筆者が、ヴァンデグローブを知ったのは、つい先日のこと。
ヴァンデグローブの予選がいつなのか、ヴァンデグローブのレースが、いつ、どこで、行われるのかも、知らなかった。
しかも、開催は、4年に1度、予選落ちすれば、8年後だ。
筆者が、ヴァンデグローブを知らなかったということは、世間一般の方も、認知されているかいないかで言うと、「あまり、知られていない部類」のスポーツだろう。
何が言いたいかと言うと、スポンサーは、スポンサーとしての、見返りを、放棄しているも同然、見返りのない投資くらいの感覚なのでは、ないだろうか。
それでも、スポンサーとなっている、企業は、「素敵」なスポンサーだ。
尊敬したい。
「挑戦するものに夢を与えてくれている」
ヴァンデグローブ 白石康治郎 ヨット スポンサー
- TEIKEI
- 八海山
- あまさけ
- FUJITA PHARM
- HH
- KODEN
- SEIKO
- おたべ
- RUDY PROJECT
- LEATHERMAN
- YAMAHA
- KDDI
- 港時間
- to Sea
これらの、スポンサー企業は、きっと「夢」がある企業だし、同時に挑戦するものに、「夢」を与えてくれている。
素晴らしい、スポンサーだと思う。
ヴァンデグローブ、レース中の睡眠も過酷
さて、ヴァンデグローブが始まると、3ヵ月~4ヵ月は、常に海上生活になるが、速い時で、ヴァンデグローブのヨットは、時速100キロで走ると言われている。
時速100キロと言うことは、仮に6時間、寝たとしたら、600キロ先に進むことになる。
相当な距離だ、方向を間違えると、相当なロスになることは、誰でも分かる。
まず、このレースに出ることで、ヨット上で、熟睡するヨットマンはいないだろう。
それこそ、アドレナリンが、常に出ている状態ではなかろうか。
白石康治郎さんも、同様、レース中の、睡眠時間は、1時間程度、そう、仮眠程度しかできないと言う。
前記事で、紹介したが、比叡山延暦寺の修行、「常行三昧」では、90日間、「寝ない」のが基本。
念仏を唱えて、ひたすら、お堂を歩き続ける。
それを、経験した僧侶たちの中には、「知らないうちに落ちている」らしい。
常行三昧の修行も、想像すらできない修行だか、ヴァンデグローブは、これに、体力をかなり使うスポーツだから、1時間、仮眠を取れるとしても、想像を越えた、フィジカルとメンタルがないと、乗り越えられるはずもない。
ヴァンデグローブの参加費用
ヴァンデグローブに、出場するためには、ヴァンデ〜アークティック〜レ・サーブル=ドロンで、完走しなればいけない。
前哨戦を完走して、はじめてスタートラインに立つ。
そして、ヴァンデグローブに出場するには、参加費用が必要になる。
参加費用は、300万円。
スケールが違う。
ヨットが、3億、運搬費用、人件費で、3億、参加費用で、300万円だ。
これだけのスケールになる、ヴァンデグローブ、多分この表現が、決して大袈裟では、ないと思うが、ヴァンデグローブは、命を賭けた、人生を賭けたスポーツだ。
ヴァンデグローブの優勝賞金
さて、毎回150名程度の参加者がいるという、ヴァンデグローブ。
毎回、必ず、優勝者が、いる。
当たり前だが。
人生を命を賭けて、戦う、ヴァンデグローブ
完走率は、50%とか。
半分は、何らかの理由で、脱落してしまうのだ。
優勝者は、さぞ、人生を賭けた分だけの賞金が手にはいるに違いないと。
しかし、筆者が調べる限りだが、ヴァンデグローブの優勝賞金は、200万円。
これには、逆に、驚かされた。
6億使って、優勝しても、賞金200万円が事実なら、また、これは、違った意味で、夢とロマンが、詰まった、他に類似するスポーツはないものになる。
「お金」ではない。
のである。
ヴァンデグローブは「夢」以外の何者でもない
ヴァンデグローブには、他のスポーツにはない、「夢」があるのだろう。
つい、先日、ヴァンデグローブのことを知った筆者だが、人にはいろいろ考え方があって、生き方もまた、さまざま。
ヴァンデグローブというスポーツを知って、改めて、そう、感じさせられた。
目立ちたい訳ではない、お金が欲しいからでもない、有名になりたいからでもないだろう。
筆者のような者が、語れるほど、恐らく軽々しいものではない。
敢えて、過酷な道を選び、1人で、見えない敵と戦うヴァンデグローブ。
それは、もしかしたら、自分への挑戦なのかも知れない。
スポンサーをみる限り、世界的にも名が通る企業も多くある。
生半可な、スポーツではない。
スポーツというのが、正しいのかどうか、分からないが、ヴァンデグローブは、観るものに取っても、勇気や感動を与えてくれる競技なのだろう。
死者だって出ることがある。
それでも、世界から、毎回120万人を越える人が、ヴァンデグローブを見にやってくる。
何者にも、得難い、「何か」が、きっとそこにあるから。
命を賭けて、ぎりぎりの極限状態で、80日間を戦う、ヴァンデグローブだからこそ、感じ取れるものがあるのだろう。
こういう表現が、適切なのかどうかは、分からないが、人は、「何かをやり遂げたい」時、「必ずやれる」と、思えば、それは、きっと「やれる」。
ということを、ヴァンデグローブは、教えてくれるのでは、ないだろうか。