新井カープが反撃の狼煙を上げる時

新井カープが本来のカープの底力を見せてきた

新井カープ、開幕当初は、12連敗と言うワースト記録をマークし、今年のカープにやや、不安を抱かせるスタートとなった。

しかし、5月後半、6月、7月と、カープの成績は、右肩上がりで、気が付いてみれば、オールスター前の前半戦で、首位の阪神に1ゲーム差の、2位に踏ん張っている。

そう、踏ん張っているのだ、楽な勝利は殆どないが、僅差を確実に勝利に繋げていて、その結果が、今、2位と言う座を死守している。

あの、2016年〜2018年の、セ・リーグ3連覇は、記憶に新しいが、その後のカープと言えば、Bクラスに甘んじている。

しかし、今の、新井カープは、その頃とは、明らかに変わっていて、プロの評論家達の予想をことごとく、裏切っている。

反面、カープファンとしては、これほど、気持ちのいいものはない。

そんな、飛ぶ鳥を落とす勢いのカープ、何がそんなに変わったのだろう。

試合の内容をじっくりと見ていると、今年の新井カープには、いつもと違う、アグレッシブで、プログレッシブな動きを随所で見せている。

みなさんは、それに、気付いているだろうか。

開幕当初、筆者は、カープがAクラスとして生き残るための、いくつかのポイントを挙げた。

このブログを少し遡ってみれは、確認できる。

その時、筆者が、述べている内容を、今のカープは、ほぼ、実践している、と筆者は、自負している。

総称して言うと、カープと言う球団は、元々、安全な策ばかりを選択していては、上位には、食い込めないチームと言う事だ。

それを、自覚して、試合に臨まないといつまで経っても勝てない、それを、新井監督は、肌感覚で感じている。

今年の、オールスター選抜した選手を見れば、一目瞭然だ。

殆どが、阪神の選手で、続いてベイスターズ、ヤクルトなどが、大半を占めた。

ファン投票で、カープの選手が選ばれたのは、秋山ただ1人だ。

そう、圧倒的スター選手がいないと言う事だ。

だから、セオリー通りの野球をしていたのでは、選手層が厚いチームが勝利する。

安全策だけでは、カープに勝ちは回ってこない。

これまでのカープは、負けるべくして負けていたのだ。

では、カープの場合、どうすれば、他のチームを圧倒できるのか。

答えは簡単、リスクを掛けて、チャンスを創ると言う事だ。

例えば、ノーアウト、ランナー1塁、普通なら、送りバントがセオリーだが、今の新井カープでは、浅い回では、このシチュエーションになっても、送りバントはない。

最も理想的なのは、ランナーが盗塁に成功し、ノーアウト2塁で、次のバッターに回れば、チャンスは拡大、セオリー通りの送りバントが成功し、1アウト2塁の場合と比較したら、得点率は、圧倒的に、前者が高い。

これを実践しているのが、新井カープだ。

リスクを恐れず、功を奏する率が、今は幸い高く、チャンスへと繋がっている。

一瞬の差で、一気に、チャンスが、消えてしまうことを怖れず、果敢な攻めが、得点に繋がっている。

新井カープが良き時代のカープ魂を呼び寄せた

新生、新井カープが、古き良き時代のカープの野球を、踏襲し始めた。

機動力全開、盗塁数も、リーグトップになった。

昨年まで、盗塁数最下位だった、球団が一変した。

監督が変わると、こうも変わるのが、プロ野球だ。

カープだけに、水を得た魚の如く、グラウンド内を、縦横無尽に選手達は、みな、活き活きとプレーしている。

直近のトピックスとしては、羽月の3盗が、目新しいが、見事、モーションを盗んで、まんまと、3盗を成功させた。

こういうプレーは、連鎖を生む。

続いて、上本も、見事、3盗を成功させた。

この、3盗は、結局、得点に繋がらなかったが、ポイントになるのは、何をしてくるか、分からないカープになってきたと言う、意識が、他のチームに根づいたことが、最大の収穫になった。

そういう、意識が、働いてくると、例えば、ピッチングが乱れたり、守備が乱れたりする事に繋がる。

それが、最大の狙いだ。

直接、得点に繋がらない、細かい、プレッシャーとなる動き、そういう所にも、余念がないのが、新井カープだ。

今までのカープでは、考えられない光景だ。

しかし、新井カープは、やりたい事を確実に実行に移している。

リスクを犯して、盗塁が成功すれば、それは、千載一遇のチャンスに変わる。

こういう、リスクをチャンスに変えてこそ、カープの勝率は、上がっていく。

カープのすべき野球とは、つまり、そういう野球だ。

カープのチーム力はどれくらいあるのか

所謂、実力は、どれくらいあるのか、と言う、これは、野球に限らず、学力なんかと同じ、その人、そのチームが持っているそもそもの力のこと。

みなさんは、カーブのチーム力を、5段階で言うと、どれくらいに感じているだろうか。

レーダーチャートと言うグラフがある。

一般的に、総合的なレベルがどれくらいあるのかを、視覚的に瞬時にして把握できるグラフで、日常でもよく、見かける6角形のあのグラフ。

攻撃力、守備力、投手力、機動力、得点力、長打力、例えば、この6つの項目についとて、分析してみよう。

項目は、これに限らなくていい。

野球は、選手だけでやるスポーツではない。

例えば、首脳陣の指標だと、監督力、コーチ力、指導力、采配力なども、勝敗には、大きく影響する。

評点を出す前に、こうして、評価しようとすると、実に多岐に渡る人が、チームに絡んでいることが分かるだろう。

野球とは、何かが突出しているだけでは勝てないスポーツだと言う事が、分かる。

【カープのレーダーチャート】

  • 攻撃力:3
  • 守備力:4
  • 投手力:3
  • 機動力:4
  • 長打力:3

筆者の今のカープのレーダーチャートは、こんな風だ。

カープと言えば、投手力がリーグ1と言う、黄金時代があり、カープと言えば、かつて「投手王国」だった。

先発投手の安定感と厚みが、カープの得意技だったのだ。

しかし、今の新井カープは、間違っても、投手王国とは、言えない。

大瀬良、久里は、先発陣の主軸と言われているが、久里は、カープの中では、トップの勝率とは言え、ポカと失投が目立つ。

一気に大量点を失うケースも少なくない。

一生懸命に投げている事に好感は持てるが、それだけ集中している割には、失投が多過ぎだ。

大瀬良においては、もはや、勝てる気がしない。

調子が悪いのか、それとも・・・

大瀬良は、ベテランだ。

立場的に、偉そうに落ち着き払わなければいけない立場なのかも知れないが、身の丈に合っていない、妙な落ち着きに、違和感を感じてしまう。

打たれまくっているのだから、慌てて欲しい、胸中穏やかじゃないはずなんだから、もっと荒ぶればいいのだ。

打たれてるんだから、必死になって欲しいのだ、落ち着いているフリをしてる場合じゃない。

大瀬良レベルになると、周りに与える影響もパフォーマンスしなければいけない重鎮だが、大瀬良レベルだからこそ、打たれたら、悔しさを露わにして欲しい。

打たれても冷静でいることが、ベテランらしい振る舞いだと想っているとしたら、大きな勘違いで、それは、周りに失意を与えることになる。

あとは、大瀬良のバッティングだ。

私は、打てませんと言わんばかりの、バッティングフォーム。

バントさえ、ままならない。

今、世界は、2刀流が、主流の時代だが、別に今更、2刀流を目指せとは言わないが、あの、バッティングフォームはない。

中、5日、7日あるんだから、せめて、バッティングフォームくらいは、普通にするくらいの時間は、余裕であるだろう。

その、あたりが、一昔前のピッチャーマインドだし、何かセンスがない。

これじゃあ、ピッチングも大した事ない、と、筆者なら想う。

信頼の柱は、やはり、森下と床田だ。

こちらは、いずれも、バッティング好きの2人。

ほら、ちゃんと結果が出ている。

「現代の野球とは」が、分かっている。

この2人は、大崩れがないので、きっちりと試合が作れるが、大瀬良、久里については、新井監督も、いつまでも、引っ張らない方がいいと想うが、どうだろう。

確かに、大瀬良、久里は、経験や過去実績は言う事なしだが、昔流の感覚が、いつまでも、通用する時代ではない。

変化なくして、前進なし。

そういう意味では、野村祐輔の頭脳投球の方が、このところ信頼できる。

ちなみに、野村もバッティングは、好きな方だ。

ここは、新井監督にも、是非、再考していただき、信頼感や経験数で、先発陣を決めるのは、そろそろ考え時のような気がする。

なぜ、ここまで、言い切るかと言うと、残念ながら、筆者でも、がんばれば、打てそうな球を投げているらからだ。

加えて、素人並みに、失投が目立つ。

これは、明確な課題だ。

素人でも、打てそうだ、これは、マズい。

森、黒原、玉村あたりを、早くローテーションに入れていくべきだろう。

打線の繋がりは、平均以上だが、一発が少ないのもカープ。

マクブルームとアンダーソンの外人コンビは、期待薄だし、堂林、末包、韮澤、大盛、これらの代打人達は、もはや、論外。

若手、3人をいつまで、引っ張るのか、外人並みに、同じ球筋を空振りし続けている。

出直した方がいい。

一長一短のカープだが、菊池、上本、羽月あたりが、機動力を牽引している。

これらの選手達は、守備も堅実で、今のカープの攻めのスタイルを形成している、主力選手達だ。

特に、上本の野球に対する立ち居振る舞いは、例え、結果が良くなくても、「どんまい」次、がんばろうと言う気になる。

そういうのが、周りに与える影響で、これが、プラスとマイナスでは、大きく違う。

加えて、野間や矢野、代走の、曽根なども、スピードを活かして、足のあるカープを意識させている。

これらが、リスクを抱え、結果、チャンスに繋がっているから、総合力が突出していなくても、2位の座に君臨している。

この、機動力のフル活用が、功を奏している事が、今年のカープの強みだ。

と言うのが、筆者の見立てである。

ビジター球場でも必ず一定数以上のカープファンいるのは何故か?

カープのホームグラウンドは広島で、マツダスタジアムが、カープの本拠地だ。

マツダスタジアムで試合がある時の、ビジターチームは、その、ファンの多さに威圧感を感じると言う。

地元 広島で、ホームチームのファンが多いのは、至極、当たり前だが、実は、カープファンが多いのは、地元 広島に限らない。

代表的なのが、関東、特に、東京ドームでの試合では、外野半分は、確実に広島ファンで、埋め尽くされる。

何故だろう?

広島からの、転勤者が多いから?

それなら、人口比で、阪神ファンが、一番多いはずだ。

しかし、実況者達は、口を揃えて、東京ドームで、巨人とカープの試合がある時は、アウェイで、ここまで、ローカルチームのファンが多いのは、カープを於いて無いと言う。

確かに、テレビを見ていても、他のチームより、圧倒的に、カープファンが多いのが、分かる。

これは、東京ドームに限らず、神宮、横浜スタジアムも同じで、関東の人に、受け入れられる、カープと言っていい。

特に、巨人の場合、テレビ映えするスター選手が揃っている。

ベイスターズ、ヤクルトは、そこまででもないが、ジャイアンの選手陣と比べて、全体的に、大人しいイメージがするのが、カープの選手達だ。

隠しても仕方ないから、ストレートに言うが、選手の能力をお金で、買っている。

かなり、誤解を招く言い方をすると、札束をポケットに溢れ出るほど、突っ込んで、両脇にも札束を挟んで、野球をしているのが、ジャイアンだとすると、お金は、しこたま持ってはないが、情熱と言う目に見えない熱い想いを胸の内にひめて、懸命にひたむきに、野球をするのが、カープだ。

両極端だが、ビジネスとしての野球人と、高校野球マインドに似ていて、パーフェクトなチームではないけど、テッペンを目指して、必死にプレーしているのが、カープの野球。

単純に、報酬レベルが違っているから、そう見えるのかどうかは、定かではないが、雰囲気として、そう、見えてしまうのは、恐らく筆者だけではいだろう。

純潔無垢なイメージが、カープには、ある。

カープ女子と言うワードは、もはや、常用語になったが、女子を惹きつけているのも、その辺りの雰囲気に好感を抱いているのでは、ないだろうか。

だから、共感を呼び、全国各地に、必ず、一定数のカープファンが、存在しているのでは、ないだろうか。

野球に限らず、何でもひたむきに取り組む姿勢には、誰しも心を惹かれるものだ。

結果、エリアの壁を越えて、カープファンは、全国各地に一定数、存在している。

リーグトップ対に並んだカープに優勝はあるか

さて、1位、阪神を追って、8連勝のカープは、遂に、阪神にトップ対まで並んだ。

開幕当初の12連敗と言う成績からは、想像も出来なかったが、新井カープは、一気に躍進し、優勝が狙える位置まできている。

しかし、リーグ3連覇をしたカープが、一気にBクラスに転落したように、トップに並んだからと言って、優勝が約束された訳ではない。

そう、勝負は、これからだ。

筆者の気になるのは、先発ローテーションと、若手起用の采配だ。

優勝するためには、走攻守が、常に、噛み合ってなければ、ならない。

併せて、首脳陣の判断も、限りなく最良の判断が求められる。

一流選手ばかりでも、人である以上、日々のコンディションは、毎日、異なるし、逆に、どんなに、ケアをしていても、常にベストコンディションでいることの方が実は、難しい。

どんな、一流プレーヤーでも、毎日、コンディションは異なる。

それを、いかに、最高のポテンシャルに持っていくかが、プロフェッショナルと言うものだ。

西川、菊池のコンディションが、安定してくれば、カープの後半戦は、盤石に近くなる。

その中で、調子の上がっている選手も、適材適所で起用しながら、1勝、1勝を積み重ねていく。

優勝するためには、この、日々の、1勝に拘って、勝ち抜くしかないのだ。

しかし、今のカープには、それを、やってのけるほどの、監督や首脳陣がいて、選手がいる。

あとは、影の親分、黒田博樹の存在も大きいはずだ。

肝心なのは、起用する選手を間違わないこと。

これを、改めて、新井監督に、期待したい。

思い切った采配を評価されている新井監督、選手、投手起用も、奇抜であって欲しい。

不思議なもので、そこに居るだけで、ベンチの雰囲気は、変わる人と言うのは、居るものだ。

今のカープは、新井監督が、そこにいるだけで、チームの雰囲気は、最高にいい感じだ。

そこは、心配ない。

後は、選手の起用が、いつも、100%的中する事なんてあり得ないが、それにしても、前章で、挙げた選手達には、注意が必要だ。

テレビの画面を見ているだけで、「嗚呼、これは無理だ。負けそうだ。」

それが、分かるのだ。

ピッチャーでは、大瀬良、久里が黄色信号。

選手では、堂林、末包、韮澤、大盛などは、いつまで経っても、同じ失敗を繰り返している。

学習機能が働いていない。

そうは言っても、プロの世界は、10回に3回成功すれば、OKたが、これらの選手には、共通して、それ以前の、「オーラ」が、出ていない。

我慢して使う事は、重要だが、優勝するためには、致命傷になる前に、決断する必要がある。

是非、新井監督には、再度、「愛」を持って、厳しい判断もして欲しい。

テレビを見ているファンが、画面越しに、「これは、やられる」とか、「多分、三振だな」と想ってしまうと、まず、ハズすことはない。

それは、何故かと言うと、技術よりも「何が何でも」と言う、オーラが出ていないのだから、結果は、まぐれでない限り、良い結果にはならない。

そういう選手が、事実、いることは確かで、そういう選手達を、実力はあるから、我慢して使うタイミングは、時期的にも、とうに過ぎているはずだ。

だから、愛を持って、それらの選手達には、再度の奮起を促して欲しい。

森下が、いい例だ。

調子がいい時も、そうでない時も、それなりに試合を作っているのは、森下自身に、常に、オーラが漂っているからで、「何が、何でも」が、表情、仕草、行動に出ている。

だから、悪い中でも、大崩れがないのだと筆者は、いつも感じる。

だから、森下が、先発の日は、楽しみでならない。

やはり、開幕投手は、森下にすべきだったと、今でも、想っている。

若いリーダーが、機能しているチームや組織が、成果を出すと言う発想は、もはや、プロの世界だけでなく、企業の中でも、主流のやり方となってきた。

カープには、そういうチームになって欲しい、新井さんが、監督に就任したと言うことは、それが実現するはずだ、と、筆者は、想っている。

世の中の野球がどのように変化しているのか、それに、順応しないで、我がピッチングの勝ち負けだけを意識して、丁寧なピッチングをしていれば、勝てる時代は、もう、疾うに過ぎている。

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