Bクラスのカープが変わるその時がきた
カープの新監督として、新井貴浩が就任した。
これまで、緒方監督時代の、セ・リーグ3連覇は、賞賛に値するし、カープ球団発足以降の、偉業を成し遂げた。
しかし、それも、今は、過去の話、佐々岡カープでは、選手をはじめ、多くのカープファン達は、裏切られ続け、満身創痍の傷だらけだ。
だが、新井貴浩監督の就任から、カープは、確実に変わる。
更に、その、バックには、影のラスボス、黒田博樹がいる。
この、2人は、何れ、カープの首脳陣になるだろうと、予測はしていたが、想っていたより、早く、実現し、カープファンとしては、心強い。
もし、新井貴浩監督と、黒田博樹の首脳陣達で、Aクラス入りできないとすれば、この後、しばらくは、カープが、セ・リーグを、盛り上げることはないだろう。
では、新生、新井・黒田カープの最強ぶりを、詳しく解説していこう。
野球に宿る闘魂のようなものが新井貴浩にはある
実は、 阪神にFAでトレードされるまでの、 新井貴浩選手は、さんざん、裏切られた。
4番を固定され、文字通りの、不動の4番、新井貴浩だったが、4番としての、当初の新井貴浩には、あまり、敬意を表する訳にはいかない。
いかんせん、気合いのみで、ボックスに立っている、そんな、選手では、4番とは、言えない。
当初の、新井敬浩として、賞賛するとしたら、気持ち、所謂、闘志のみだ。
それも、北斗の拳で言うと、青いオーラくらいの闘魂だ。
それ以外、4番として、賞賛できるものはなかった。
だから、阪神トレードされた時は、実は、心の中では、「良かった、これで、4番が変わる」心底、そう思った。
彼は、4番としてのバッターでは、ない。
もっと、他の役割がある。
かくして、阪神にトレードされても、鳴かず飛ばずの、新井貴浩だった。
同じ、人間なのだから、球団が変わっても、結果は、同じだ。
当たり前の事だ。
このような、どちらかと言うと、ネガティブな新井貴浩コメントが、続くと、悪口のように聞こえるかも知れない。
だが、事実、打率、本塁打数が、物語っている通りだから、敢えて、事実を述べる。
しかし、阪神時代を終え、新井貴浩は、再び、カープのユニフォームを着ることになるが、ここからの、新井貴浩は、以前に増して、闘魂が漲って見えた。
再び、暖かく迎え入れてくれた、多くのカープファン達の寛大さに、見事に、プレーで応えてみせた。
再び、カープに凱旋帰国した時の新井貴浩は、既に39歳、2016年4月27日、新井敬浩は、念願の2,000本安打を放った。
39歳と言えば、 プロ野球で言うと、脂の乗り切った年齢で、そろそろ引退の文字がつきまとう年齢だ。
しかし、39歳のプロ野球選手の中で、他の誰よりも、当初の新井貴浩は、 若々しさと闘魂を、全力で、プレーにぶつけたのだ。
阪神から、帰ってきた時の、新井貴浩は、大間の荒波に揉まれて、脂ぎったマグロのような、勢いがあった。
その、39歳とは思えぬ、漲る闘魂は、野球をやった事がある人には分かる、オーラとして、選手達に伝わり、何とも言えない、身震いするような勇気となって選手達に波及した。
この、目には見えない不思議な力を、 その当初の新井貴浩は、持ち合わせていた。
北斗の拳で言うと、レインボーのオーラだ。
野球に1番、大切なものは、もしかしたら、こういった、雰囲気なのかも知れない。
カープと言う球団の偏差値はごく普通
プロ野球球団は、セ、パで12球団、それぞれ特徴かある。
例えば、大資本で、大枚を惜しげもなく使って、スキルの高いとされる選手を、バンバン引っ張ってくるジャイアンツ。
最近、機動力を高めてきた、タイガース。
絶対的、4番を張る村神様と、安定感あるピッチャーが揃っている、スワローズ。
投打のバランスを整えてきた、ベイスターズとか。
パ・リーグは、ちょっとよく分からないが、相変わらず、選手層の厚いホークス。
と言うように、各球団、それぞれ特徴がある。
それぞれの特徴は、選手が変われど、大体、似通った傾向があるものだ。
例えば、カープは、どうなのか。
ちょっと弱いけど、諦めないカープ、野球に堅実なカープ。
鈴木誠也がいたころは、パワフルなカープだったが。
まず、1つ言えることは、スキルが高い、選手として優秀な選手が集まれば、優勝できるかと言うと、そうはならないのが、野球。
これは、ジャイアンツを見れば分かる。
金をふんだんに使って、1流と言われる選手が集まっても、勝てないものは、勝てない。
ジャイアンツの選手は、そういう一流感がある選手揃いだから、それが、逆に出て、ガッツが足りないとか。
しかし、 どの球団もプロとして スカウトされた選手の集まりだから、ある程度の、プロフェッショナルな野球は、実は、できる。
やはり、プロフェッショナルは、プロフェッショナルだ。
その中で、これまで又は、昨年、自球団のペインポイントを、改善もしくは、他の分野で、ペインポイントを埋めた球団が、上位にのし上がってくる。
優勝できなかったチームは、昨年と同じ野球をしていては、来シーズン、絶対に優勝できない。
それを、適材適所で補う、もしくは、リスクを掛けて、新たな方針を、徹底して実行する事が出来る球団に、チャンスは、到来する。
その、司令塔が、監督であり、それを取り巻く首脳陣達だ。
この人達の考え方が、まず、昨年までと違った何かを、確実に適格に実行できる球団は、期待大だ。
では、カープにとって、ここ数年の、Bクラスに甘んじている原因は何か?
カープの弱点は、リスクを背負った試合をしていないこと
カープ球団のイメージと言えば、お金のない球団、もともと、樽募金から、市民球場を設立し、小さな地方球団として出発した広島市民のための球団だ。
選手には、ムラがあり、これと言ったスタート選手はいない、練習、練習、また、練習で、勝ちを手にしてきたチームだ。
そういった、言ってみれば地味な球団の特徴と言えば、「機動力」。
カープと言えば、お金もないから、掘り出し物的な選手を引っ張り、一流に育て、機動力を活かす球団、所謂、プロの豪快さと言うよりは、高校野球、大学野球のハイレベル版と言ったイメージだ。
今でこそ、カープ女子のファンは増え、カープグッズが、赤色ベースが功を奏したのか、爆売れし、地元マツダの業績も上がり、球団の内部留保が、蓄積されてきたので、所謂、一流選手も取れるようになってきた。
山本浩司、衣笠祥雄、ホプキンス、ライトルなどがいた、 黄金時代は、ホームランバッターが揃った時代もあったが、基本は、泥まみれになって練習する、機動力チームだ。
番外だが、エルドレッドやジョンソンなどのカープ愛も、感慨深い。
主砲も、これと言って、爆発的だったのは、後にも先にも山本浩司くらいで、ただ、野球をやっていたのでは、勝てないチームだった。
そこで、カープが、積極的に、戦略に取り入れたのが、機動力。
ノーアウト1塁、ノーアウト1、2塁なら、有無を言わさず、100%、送りバント。
ランナーの走力が高ければ、盗塁。
古くは、大下剛史、高橋慶彦などは、ランナーとして、出塁したら、まず、盗塁だった。
そんな、機動力が、ここ、数年のカープには、殆どなかったのだ。
それなら、何か他のリスクある、戦略を取ったかと言うと、それもない。
特に、佐々岡監督時代は、リスクは犯さない、走者を進塁させない、バントしない、ただ、選手の力を信じて、勝とうと思うのが、無理な話なのだ。
かと言って、ピッチャー出身監督と言う事で、切れ味鋭いピッチャーを育てたのかと言うと、それもない。
カープと言う球団は、普通に野球をやっていては、普通の結果しか出ない球団なのに、これと言って戦略のない、無策の佐々岡時代には、テレビの放送は減るし、本当に、全く、野球を見る気を無くした残念な、3年間だった。
では、カープは、どこにリスクをかければ、これまでと違った野球ができるのか。
「機動力」これしかない。
事実、振り返ってみると、 そうした機動力が、好回転している時代は、優勝もしたし、 日本一にもなっている。
足が速い選手には、どんどん盗塁させる。
確かにここには、アウトになる、リスクはある。
しかし、成功する確率もあるのだ。
例えば、ノーアウト、ランナー1塁で、盗塁に成功したら、ノーアウト2塁だ。
ここで、送りバントを成功させれば、1アウト3塁で、俄然、得点率は上がる。
こういう、機動力野球が、カープになければ、カープがAクラスに浮上する、要因はない。
何かのリスクをかけて、その成功率を上げること、これが、カープ野球のお家芸なのだ。
恐らく、新井貴浩監督は、この、機動力を、積極的に使ってくるに違いない。
そういう、得点のシチュエーションは、例え、バッターが、3番でも、4番でも、「バント」させる。
強い、チームは、強打者でも、 徹底して、これをやっている。
3番、4番だから、必ず、 打つとは、限らないのだ。
大切なのは、チームが勝つ事だ。
カープ女子はなぜ、こんなに増え続けるのか
いつしか、カープ女子と言う言葉が、当たり前になってきた。
事実、 もともと、カープには、ホームの広島以外にも、各エリアに一定の熱烈なファンがいる。
なぜだろう。
関東にカープファンが多いのは、東京ドームや、神宮球場で、カープが試合をする日をみれば分かる。
ビジター席は、必ずと言っていいほど、真っ赤に染まっている。
司会者も、この、 アウェイでの試合の実況中に、広島ファンの多さに、度々触れている。
思うに、まず、広島ファンが、他のエリアでも多いのは、 カープ選手のファンに与えるイメージが、良いのだろう。
カープ選手のイメージとして、プロ気取りしていない、実直である、ハツラツとしている、いつも、全力だ、などだろうか。
確かに、少し、 高校野球選手のような、新鮮で溌剌とした印象がある。
これは、 確かで、好かれる要因の1つだろう。
テレビ慣れもしていない、これも、好感が持てる。
そして、 問題の、なぜ、カープ女子が
増え続けるのかについてだが、1つは、上記のような、好感が持てる印象などは、正にその通りだろう。
ただ、カープ女子の中には、本当にカープ選手の直向きに野球に取り組む姿勢もさることながら、実は、野球の事は、よく分からない・・・でも、みんなで、一緒に応援していると楽しい。
そういうカープ女子が、半分くらいは、いそうな気がする。
応援するのが、楽しい、そして、 カープの応援グッズは、定評があって、イメージカラーが、「赤」であること。
この、「赤」が、決定的に、 他球団より、可愛く見えてしまうのではないか、というのが、筆者の見解だ。
グッズは、 充実していて、 カラーは、赤やピンクがメイン。
これで、カープ女子として、名乗りを上げた人も、少なくないように思えてならない。
あとは、マツダスタジアムが、広島駅に近いことから、企画電車が、各地から、設定されていて、東京、大阪、中部あたりからの、パッケージツアーがあるのも、集客の要因だ。
いずれにしても、女子のファンが多い事は、いい事だ。
選手達の、モチベーションに繋がることに間違いはないから、どんどん、増え続けて欲しい。
新井カープがリーグ優勝するための条件
今年こそ、あの、3連覇の如き歓喜をまた、味わいたいのは、カープファンみんなの想いだろう。
では、新井・黒田カープで、何を変えていけば、リーグ優勝できるだろうか。
まず、モチベーションと 言う点では、 既に、新井貴浩、黒田博樹、この2人が、マツダスタジアムに地をつけた瞬間に、一気に上がった。
新井監督が、黒田博樹にアドバイザーとしての役割を懇願したのも、そういう、気運が欲しかったのだろう。
あの時の、感動を蘇らせたのだ。
まず、ここは、クリアだ。
そして、やはり、足を、使う事。
スタメンは、ペナントレース直後は、恐らく、 目まぐるしく変わるだろうが、野間あたりを、定着させて欲しい。
塁に出れば走る、先頭の野間を出したら、厄介だと思わせる事が必要だ。
そういう意味では、小園でも、いい。
しかし、小園の場合は、まだ、若さが、出て、盗塁前にタッチアウトが多すぎる、したたかさでは、野間が上だろう。
1番バッターは、出塁率がよくて、足が速い選手を起用して、走らせる。
そうなると、初回から得点できる、率が高まる。
これだけでも、カープ野球は、大きく変わる。
いや、むしろ、これを、嫌と言うほど定着させる、そして、2アウトからでも、出塁したら、走らせる。
とにかく、盗塁を格段に増やす事だ、中距離、長距離バッター不在のカープには、盗塁を増やす事、リスクは伴うが、実行すれば、得点率は、飛躍的に上がってくる。
次は、主力選手の固定化だ。
野間、小園、菊池、西川、 秋山は、固定。
打率が下がる事はあるが、これらの選手達は、必ず、復調してくる。
佐々岡監督時代に、相手ピッチャーの特性に合わせて、左バッターばかりを、スタメンにしたり、していたが、こんな事は、まるで意味がない。
打てないピッチャー出身の、監督がやりそうな事だ。
好打者は、 どんなピッチャーも苦にしない。
それで、スタメンを外す方が、よっぽど、選手のモチベーションを下げる。
中でも、菊池や西川は、絶対に、スタメンから外してはいけない。
こういった一流選手をスタメンから外すことは、選手のモチベーションが、ダダ下がる。
佐々岡監督も一生懸命なのは、何となく分かるが、選手の気持ちが、まるで、分かっていない監督だった。
そして、闘魂があるかと 言えば、うっすすらさえない。
選手の士気が、上がるはずがない。
むしろ、自らが、雰囲気を暗くしていった。
ピッチングのことしか分からない人に、監督を任せたオーナーの責務でもある。
器がない人に、お酒をついでも溢れるだけだ。
まあ、昔のことは、振り返っても仕方の無い事だ。
問題は、これからだ、今年のカープは、一味も二味も違ったカープになるはずだ。
想像はしていたが、 新井貴浩、黒田博樹の最強エンターテイナーが、想っていたより早く、顔を揃えた今こそ、千載一遇のシチュエーションだ。
エンタメ性も含めて、モチベーションは上がり、毎試合が、 闘魂漲る試合になる。
それなら、今年は、もう、カープの大躍進は、約束されたようなものだ。
それならば、さあ、秋には、みんなで、 行こう、クライマックスへと。