ほととぎすの鉢替えと株分け
筆者は、「ほととぎす」と言う、ユリ科の花を育てています。
みなさんの中に、ほととぎすと聞いて、「あー、あの花ね」とイメージできる方は、どれくらいいらっしゃるでしょうか?
少なくとも、メジャーな花では、ないです。
そう、花の中でも、ほととぎすは、マジョリティではないんです。
でも、筆者は、そんな、ひっそりと人知れず咲く話が好きです。
ほととぎすの花を育てようと思ったのは、筆者が無類の桑田佳祐さんフリークであることに始まります。
桑田佳祐さんご自身が、手掛ける楽曲は、1,000曲を越えます。
ひとえに、1,000曲と軽く言うようですが、これらは、全て、桑田佳祐さんご自身が作詞・作曲されたものばかりです。
やはり、40年間もの想像を超える、独走を続けている桑田佳祐さんだからこそ、成し得る偉業なんでしょう。
そんな桑田佳祐さんの楽曲の中には、マジョリティな花も曲の中に出てきますが、「あー、この花知らない」と言う花が多いのもまた、事実で、この、「ほととぎす」もその1つ。
筆者は、最初、鳥のほととぎすをイメージして、楽曲を聞いていたら、どーも、鳥じゃないんですよね。
鳥の場合は、カタカナ、「ホトトギス」でしょうね。
でも、そうかと言って、鳥のホトトギスと何の縁もゆかりもないこともなくて、ホトトギスの胸のあたりの、模様に似ていることから、「杜鵑草」と言われるようになったようです。
で、花のほととぎすを漢字で書くと、「杜鵑草」となります。
さて、そんな桑田佳祐さんフリークから広がった、筆者のほととぎすを育てるまでを、つらつらと綴っていくことにします。
調べる限り、ほととぎすは、「育てやすい花」とされているようなんですが。
そんなに、簡単なら、早速、育ててみようと、花屋に行くと、そうですね、10店舗は行きましが、どことして、ほととぎすを売っているお店は、ありませんでした。
やっぱり、ほととぎすは、マジョリティではなかった。
と言うことで、ネットで調べると、いくつかほととぎすの苗を売っている、通販花屋さんが出てきました。
苗1つで、1,000円近くするので、花としては安い方ではないです。
ほととぎすは、野草なんですが、いやー、見たことなかったです。
何なら、山に行って、採取しようとも考えましたが、山でも岸壁などに、ひっそりと咲いていることもあるようで、断念し、通販で、花の場合は、「枯れないように」梱包してあるもんだから、結局、2,000円近くかかりました。
それが、これ。
か細い感じでしょ。
実は、この記事を書けるまでに、実に2年、要は、ほととぎすを開花させるまでに、2年かかりました。
いやー、ネットに書いてある情報を鵜呑みにしていけませんね。
ほととぎすは、なかなか、株がしっかりするまでは、ナーバスな花です。
ほととぎすは、「育てやすい花」の罠
1苗、2,000円かかった、ほととぎす。
そうそう、枯らせる訳にはいきません。
おおよその、ネット上の記事を見ると、一様に、「育てやすい花、明るく風通しの良い場所を好み、鉢植えならば、鉢の土の表面が乾いてきたら水をやる」と、まあ、こんな感じで、ほととぎすの育て方は、綴られています。
「あー、なるほど、これなら筆者も楽勝だな」と思い、ベランダで、その通りのシチュエーションを作り、毎日、せっせと、水をやっていたんですが。
筆者が、ほととぎすを育て始めたのは、5月、初夏と言っていいですかね。
その時のほととぎすは、本当に柔らい苗で、葉っぱみたいなものでした。
日差しを与え、水をやる。
たまたま、ベランダが、風通しがよかったので、割と水は、適宜、与えていきました。
ある日のこと。
天気のいい日で、雲1つない晴天の日、いつものように、仕事に行く前に、水をたっぷり与えて、仕事を終え、家に帰ってくると・・・
なんと、ほととぎすが、「うなだれている」。
「何でだ、水もたっぷり与えておいたのに」。
原因は、どうも、日差しの強さだったようです。
まさに、「青菜に塩」状態。
しんなり、しんなりと、うなだれたほととぎす。
ほととぎす、1作目、「失敗」。
ほととぎすは、まだ、苗の状態だったので、柔らかい葉っぱのような状態でした。
「強く育てやすい」と言うフレーズを鵜呑みにした筆者の、勝手な想像から、思わぬ失敗を招いてしまいました。
ほととぎすの場合、まだ、苗の状態だと、直射日光は、刺激が強すぎるんです。
日差しは与えなければいけませんが、直射日光は、避けるべきでした。
1度、萎えてしまったほととぎすの苗は、水を与えても、元通りには、戻りませんでした。
工夫としては、簾などで、直射日光を避けるような、環境を作ってあげましょう。
こんな風に。
太陽には、当たらなければいけないが、半分くらいの強さが最適です。
ほととぎす2作目の鉢植えにチャレンジ
さて、失敗したままでは、終われない。
筆者の、育成プライドに火が付きました。(笑)
どうしても、ほととぎすの花を見るまでは、コンプリートするぞ。
どうでもいいように、聞こえるかも知れませんが、失敗したままで、終われないのが、筆者の性分なので、性懲りもなくまた、2,000円でほととぎすを購入して、いざ、「育てる」。
みなさんも、もし、ほととぎすを育ててみたいと思っている人がいらっしゃったら、これだけは、本当に気を付けてください。
「日に当てる」ことを、多くの記事では書いてありますが、直視日光に弱いとは、あまり具体的に書いてないんですよね。
読み取る限りだと、日差しを与え水をやる。
この表現って、誤解しやすいと思いませんか?
筆者は、まんまと誤解し、失敗しました。
ほととぎすの鉢植えには、ほどよく日差しを与え、風通しをよく、乾いたら、水をたっぷりやりましょう。
こんな風に、日差し対策があれば、いいと思います。
初夏から夏にかけての、直射日光には、くれぐれも気をつけましょう。
失敗を活かし、直射日光を避けることで、ほととぎすの苗は、茎がしっかりとしてきました。
茎の成長につれ、 葉っぱの数も見る見る増えていきます。
「ふぅ、ここまで、きたら、まずは、1段落」。
もう、枯れてしまうことはないほどに、成長しました。
あとは、ほととぎすの話を、この目で、しっかりと見て楽しむだけです。
通常、ほととぎすの開花は、8月から10月くらいです。
茎がしっかりとしていれば、長い間、ほととぎすの話を楽しむことができます。
と、ネット上では、綴られています。
筆者も、あとは、ほととぎすの花が、咲くのを待つだけでした。
ほととぎすの花咲かないのは何故?
ほととぎすの開花時期は、通常、8月〜10月と言われています。
筆者も、2度目のチャレンジで、ほととぎすの小さな苗から育て、茎も葉もしっかりと、順調にここまでのところ、育ててきました。
あとは、開花を待つばかり。
8月。
「そろそろかな?」
9月。
「もう、そろそろだろー」
10月。
「やー、もー、今月しかないんだけどなー」
やー、咲かないんです、筆者のほととぎす。
11月になっても、花が成る気配こそない。
つぼみさえ、見当たらない。
これは、まさかの、未開花か?
「やー、まさかの越冬か?」
なんせ、ほととぎすが、実際に咲いたところを見たことがないので、どうなってるのか、どうなるのか、さっぱり検討がつかず。
11月になっても、全く咲く気配のない、筆者のほととぎす。
もう、今年は、無理なんだろうと、諦めかけていたころ。
「ん、何かつぼみっぽいものが・・・」
11月の中旬のことです。
ほととぎすの小さなつぼみが、ポツン、ポツンと。
念願の、ほととぎすの開花でした。
通常、ほととぎすの開花時期を過ぎてのまさかの、開花。
それからは、日に日に、ほととぎすが開花していきました。
「やー、嬉しい、こんなに嬉しいのは久々だ」。
開花時期を過ぎての開花だったため、余計、嬉しかったのを覚えています。
筆者のほととぎすは、1つ花を咲かせると、それを他のつぼみ達があたかも、見ていて、見計らったかのように、次々と花を咲かせていったのです。
やがて、冬が来て、ほととぎすは、次第に枯れていきました。
これも、ネット上の情報から、ほととぎすは、冬は枯れて、そのまま水をやっておけば、冬を越し、春になると、また、新たな、葉が根ぶいてくるというもの。
その通り、秋に、綺麗な花を付けた、ほととぎすは、一旦枯れ、また、新たな葉が根ぶいてきたのです。
さあ、次は、いよいよ、鉢替えと株分けのステージの始まりです。
ほととぎすの鉢替えと株分けは春先がベスト
ほととぎすの鉢替えと株分けは春先がベストと言われています。
2度目で、順調に育った筆者のほととぎすは、根の下は、一段とたくましく育っていて、今の鉢では、窮屈なほどになっていました。
「よし、鉢替えと株分けの時期だな」。
ほととぎすを鉢植えで育てて、2年、開花を味わい、生ほととぎすを堪能しました。
ほととぎすの繊細な模様は、少し、毒のある大人の花といったイメージです。
「毒」と言っても、悪いイメージではありません。
人は、年齢を重ねるにつれ、綺麗事ばかりでは、立ちいかないことだってありますよね。
酸いも甘いもあるのが人生。
そんな、馴染み深さが、どことなく漂う大人のための、「花」と言ったところでしょうか。
日常では、あまり、お目にかかれない、ほととぎすという花であることも、筆者には、非常に強く印象付けられました。
ほととぎすにのめり込んていく感じです。
ようやく、春を迎える時期に差し掛かったころ。
筆者の育ててきた、ほととぎすの鉢植えにも変化が見られ、新しい芽が根ぶいてきたので、鉢替えと株分けをしたいと思います。
ほととぎすの鉢替えは、何となく、イメージできるんですが、ほととぎすの株分けですが、これが、なかなか、ネット上やyoutu.beを見ても、これといったものがなく、参考情報がないまま、一般的な花の株分けを参考に、実践してみることにしました。
動画で検索しても、肝心のほととぎすの株分けを撮影したものが1つもなかったので、本当に見様見真似です。
ただ、ほととぎすの苗を購入した時とは、明らかに、全体が巨大化していて、このままでは、鉢が壊れそうなので、鉢替えと同時に、株分けもすることにしました。
一回り大きな鉢を購入し、まずは、古巣の鉢から、ほととぎすを、丸ごと、鉢から取り出します。
やー、根が蔓延っています。
根に付いた土を丁寧に、落としていくと、ほととぎすの全容が、見え始めます。
参考にした動画では、「自然に分かれている所で株分けしてください」と、説明されていました。
何とも、抽象的な表現です。
「自然に分かれているところ」って。
「どこじゃ!」
土を落としたほととぎすを、何となく、見ていても、はっきりと分からずでしたが、何となく分けてみました。
恐らく、筆者がほととぎすを購入した時は、1株だったんだと思いますが、株は3つに増えていたようでした。
こんな感じ。
そして、その時、アクシデントが!
あまりに、慎重になりすぎて、何と、株分けの最中に、太く育ち初めていた、茎を折ってしまいました。
「いかん」。
やってしまいました。
でも、かなり、太く育っていた茎だったので、そのまま、土に植えてみることに。
もし、枯れるようなら、取ってしまえばいいと思っていたんです。
良くはならなくても、デメリットはないとう感じで。
すると、どうでしょう、2日経っても、3日経っても、1週間経っても、枯れないんです。
1番右側のが、茎だけで根のないヤツ。
冒頭で言った、ほととぎすは、強い花と記事には書いてあったと記述しましたが、もしかしたら、ほととぎすの強さって、こういうところなのかも知れません。
さて、無事、ほととぎすの鉢替えと株分けは、終了しました。
全部で、4株、これが、うまく育てば、毎年、倍々で増えていきます。
ほととぎす屋さんになれるかも。(笑)
2週間以上経っても、枯れる気配はありません。
何とか、ほととぎすの鉢替えと株分けに成功したようです。
ほととぎすには花言葉があります
今更、花の合言葉とか、いい歳をして、興味がある訳ではないんですが、ほととぎすにも、花言葉があります。
ほととぎすの花言葉は、「永遠にあなたのもの」とか、「秘めた意志」と言う花言葉があります。
なるほど、桑田佳祐さんのアルバム、「がらくた」に収録されている「ほととぎす」を聴いていると、ほととぎすの花言葉が、しっくりきます。
筆者は、40年間、桑田佳祐さんフリークなんですが、この、「ほととぎす」、桑田佳祐さんの楽曲は、1,000曲以上あるんですが、筆者が1番好きな曲でもあります。
まあ、この記事読まれたら、何となく感じていただけるのではないかと思いますが・・・
入れ込みようが、半端ないでしょ。
もし、機会があれば、みなさん、聴いてみてください。
桑田佳祐さんの優しさが、そのまま楽曲に溢れている曲ですので、きっとみなさんも、気に入られると思います。